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zoom RSS 君の名は。への徒然考察第2回 彗星と隕石と糸守

<<   作成日時 : 2016/11/27 21:11   >>

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前回は、何故、入れ替わり対象の片側が瀧だったのか?というところから、本来の正しい歴史は、2013年に三葉は死ぬはずではなかったという、インメルマンターンをしでかしましたが、皆さん、失速したり戻したりせず、きちんとついてきてくれてますか?

小説 君の名は。 (角川文庫)
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新海 誠

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では、今回は前回の引きからということで、その三葉が死なかった世界、歴史とはどのようなものか、そこをつめていきたいと思います。

三葉が死んでいない世界のポイントとしては

1.三葉は2013年10月4日には、なんらかの理由から死亡していない。少なくとも2022年春では存命。

2,瀧と三葉が入れ替わっていたかは不明。
ただし、入れ替わっていたとしても糸守を救うというイベントが存在しないため、印象は極めて薄い。
「なんか、夢の中で誰か別人になっていたような、まあ、夢だしね。」という程度の認識しかなく、映画の中のように、忘れてはダメな人。のような強い思いにはならない。

3.糸守を救うための入れ替わりは発生していないため、それに伴うイベント(瀧と奥寺のデート、ノーブラバスケ、三葉が告白される。など)も発生していない。
二人共互いを認識していないため、瀧は岐阜へと糸守探索にはいっておらず、三葉もまた東京に瀧(中学生)に会いにいっていない。こことから、瀧が組紐を持つこともなくそれに関する知識もない。

他にもこまごましたことが色々考えられますが、大きなものとしてはこんなものでしょうか。

では、三葉はどのような理由あるいは状況によって、死を免れたのか?
最初に思い浮かんだのが、

そもそも隕石自体が落ちていない。あるいは糸守に隕石が落ちていない。落ちたとしても、被害は、映画本編に比べて遥かに小さい。(無人の山間部に落ちて、糸守の被害は小さな地震の極地的ながけ崩れLV)

というものでした。

三葉(達)が死ななかった理由としては、シンプルかつ現実的な答えです。

作品内のTVのアナウンサーがいっていたように、たとえ、隕石が燃え尽きず地表まで達するとしても、人間の居住地域に落ちる可能性は極めて低い。なぜなら地球の表面のかなりの部分が海で、残る陸地も人間の住んでない場所の方が遥かに多い。
また、実際に割れるまで、誰もそのことを予測できなかったことから考えると、ティアマトが割れたことにも不自然さがある。
にも関わず、彗星は割れ、その隕石が糸守に落ちたという文字通り天文的な確率の出来事に、瀧と三葉の時間を越えた入れ替わり同様の、人知を越えた存在や力を感じないわけにはいきません。
となれば、糸守に隕石が起こる世界、歴史というのはやはり何者かの干渉によって改変されたものと考えることができます。

ところが現実世界ではそれなりに説得力があるか、うまくまるめこめそうなこの理屈も、「君の名は。」の世界ではちょっと通用しそうにない。
なぜかというと、糸守には過去、それも二回、隕石が落ちているからです。
1つ目は、映画の中でテッシーが述べているように糸守湖。そしてもう1つは、観ただけで気づいた人多いでしょうね。特にEテレとか好んで観ている人なら特に。
ご神体のある窪地、いやもうクレーターと言っちゃいましょう。
糸守が温泉で栄えた様子がないところをみると、火山活動で造られたものではなさそうだけに、ご神体のあるクレーターは隕石の衝突でできたものですね。
小説でも、少なくとも二度、糸守に隕石が落ちたことが明記されています。

1つ目(おそらく2400年前)の隕石の衝突から糸守湖が生まれ、生活に欠かせない水源となり、また漁場となることで糸守という集落の基盤となりました。
2つ目(1200年前)の隕石は山地に落ちたことで湖にはなりませんでしたが、水没を免れたことで、隕石=隕鉄が新たな産業を生み出しました。
日本の製鉄はかなり後年になるまで、川底に溜まった砂鉄に依存していた上に、大型の溶鉱炉により本格的な大量生産が始まるのは、2つ目の隕石衝突から3〜4百年は後ということからすれば、既に精錬済かつまとまった鉄の塊が存在していることは、鉄の流通に関してかなりの優位性に繋がったものと考えられます。
ご神体クレーターのある山がそっくり宮水家の宗教法人としての財産であり正確な意味での神社の本殿であることから考えると、鉄の採取や流通に関しては、宮水の人間が仕切っていたか、強い影響力をもっていたことだけは確かで、宮水家が江戸時代まで、いわゆる寺社領として、糸守=宮水の所有物といって差し支えないほどの権勢を誇っていたのも、隕鉄の恩恵が大きいかったものと思われます。

なお、映画の中では、てっしーがググった結果らしい記事で糸守湖ができたのは1200年前と記されていましたが、これだとちょっと計算が合いません。おそらく、糸守自体の記録は、某大火で消失した一方で、近隣の町村集落の文献には1200年前に隕石が落ちたか、それを思わせるような記述が残っていて、ご神体クレーターは私有地+聖域ということから糸守でも全員が知っているわけではない。結果、目立つところにある糸守湖が1200年前の隕石追突でできたクレーターと勘違いされたのではないでしょうか。

かなり脱線しましたが、既に同一の彗星から分離した塊が隕石として二度も落ちている。しかも、地球というサイズからみれば隣どころか密接といっても差し支えない場所に落ちている。
そして映画の中では三度目の隕石追突。しかも、落ちた場所は、1つ目と2つ目の間。
これは、先程述べたように、なにか人知を超えた存在によるものとしか思えません。
となれば、2400年前の隕石落下いやティアマト彗星接近の時点で、1200年毎に糸守に隕石が落ちるというのは決定事項なのでは?と考えるしかありません。
前回の記事で、ムスビの正体は、カイパーベルトからティアマト彗星に乗って飛来し、隕石と一緒に地球に落ちてきた生命体ではないかと書きましたが、あながち外れていないかも。
彗星に乗って宇宙を渡り、大気圏突入の高熱にも耐える超生命体だとしても、やはり見知らぬ土地におりる以上、先発隊である同族の近くにいきたいというのは当然でしょうし。

しかし、こうなると、糸守に隕石が落ちるということは、少なくとも、ティアマト彗星の折り返し地点、600年前には確定されていたことになりますし、実際には2400年+ティアマト彗星の片道分600年=3000年前に1200年周期で糸守に隕石が落ちることまで決まっていたと考えるべきでしょう。
定期的に彗星から隕石が落ちる。しかもほぼ同じ場所に。
などということは現実世界ではちょっと考えづらいことですが、「君の名は。」の世界ではそういうことになっている。決まっている。と納得するしかなさそうです。

困った。
これでは、隕石が落ちなかったから三葉は死ななかったという大前提が糸守並に崩壊してしまう。
しかも、隕石が落ちる場所はよりによって、神社のすぐそば、というか、宮水家そのもの。
たまたま、祭りにいかなかった。でかけなかった。としてもやはり巻き込まれることは避けられない。

君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫)
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2016-07-30
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と、ここで別方向、思わぬところから、気になる人を見つけました。
三葉達の母親である二葉です。
映画の中では既に故人であり、口噛み酒を飲んだ直後の瀧が三葉の記憶を追体験した際に、切れ切れな形で登場する程度ですが、一方で彼女の死が夫であり三葉と四葉の父親でもある俊樹が宮水の家から離れ、そして町政に身を投じさせるきっかけになるという、重要というか、むしろ重すぎ?るキャラです。
彼女に関しては、番外編小説の中で詳しく書かれているというか、それを知っていないと、映画の中で起こったことのいくつかは説明がつかない部分があるという、もう曰くつきというか、ネタバレになりますが、歴代の宮水の人間の中でも、指折りの能力持ちです。
二葉の詳細に関しては、かなり複雑な部分があるので、その辺は、独立した記事でまとめてみたいと考えていますので、まだ後日。

要点だけを述べるとしたら、彼女は、未来が視える。というより、何らかの目的や目標に対して、どうしたらそれを達成できるか、うまくことが進むか、がかなり具体的に分かる。といった人間のようです。
実際、未来が分かるだけはなかなか成功には至りません。ギリシャ神話などの代表される予言の領域に関してならば、自分にとって都合の悪い予言をなんとかしようと悪足掻きするあまり、むしろ予言の成就を手助けしてしまうことがあるだけに。そのことを考えると、何をすればいいのか成功するか失敗を免れるのか、具体的に分かることはかなり強力です。自動検索機能付きの攻略本という感じでしょうか?
小説の中で彼女からどこか浮世離れした雰囲気を感じられるのも、そういった能力のためかもしれません。
残念ながら、彼女は病魔に冒され、夫とまだ幼い娘達を残してこの世を去ることになるのですが、最終的に病死だとしても、そこに至るまでに不可解な行動があります。

正式な病名は小説の中にも明記されていませんでしたが、免疫細胞が暴走するとだけ書かれています。
おそらく、本来は病原菌や毒物を攻撃し排除する機能が、異常のない健康な細胞までも攻撃破壊してしまうという、アレルギー過敏の更に凶悪で性悪なやつではないかと思われますが、本来は、病原菌や毒物を攻撃する役目の部分が、結果的にその病原菌や毒物と同じことをしてしまうのではもう手のうちようがありません。
何にしろ、かなりの難病であることは間違いなく、専門的な医療研究施設のある大病院でなければ、治療は不可能というLvなのですが、なぜか二葉は糸守から離れることを拒否します。
それどころか、彼女は、自分の病状に気づいていながら、それをひた隠しにし、俊樹達に気づかれた後も検査さえ拒否し、倒れるまで医療機関に行こうとしませんでした。
小説内で書かれていることそのまま、「この病気で死ぬことを望んでいる。」かのようです。

二葉が延命の可能性まで含めて、高度な治療を拒否し続けたのは、彼女に備わっている、どうすればいいのか分かる。能力故に、自分が生きていたら、何が起こるか、あるいは起こらないのか、また自分が死ぬことによって何が起こるのか起こらないのか、それらを全て承知していたからに他ならないでしょう。
俊樹が町長になっていなければ、隕石が落ちたあの夜、緊急訓練の名目を借りた全町民避難を実施することはおそらく不可能だったに違いありません。

しかし、敢えて専門治療を受ける道を選び、借金をして借金を返すような延命治療に過ぎないとしても、愛し愛されている家族のために、生きることを選んだ結果もまた二葉は承知しているはずです。

ここで重要な点が1つ。
糸守から離れることと専門病院での治療を拒み続けながら、壮絶な闘病生活の果て、次第に生気を失い朽ち果てていく妻の姿に耐えきれなくなった俊樹は、独断で免疫関係の治療に詳しい千葉県の大病院に二葉を移すこと決断します。
しかし、全ての手続が終わり、いざ後は二葉自身を移すだけというところで、ふいに彼女の容態が急変。正に糸守で死ぬこと望んでいたかのように息を引き取ることになります。
このことが、俊樹を糸守町政に身を投じさせ町長に当選させる原動力にもなるわけですが、ここでもしタッチの差で千葉県の病院に移されていたとしたら?
二葉自身が千葉県へ移ることはもちろん、夫である俊樹や、娘の三葉、四葉もまたお見舞や介護のため、必要に迫られる形で、糸守を離れる機会が増えることでしょう。

21世紀に入ってからの医療は、ips細胞に代表される再生治療など、肉体のメカニズムそのものを解析し、それを治療に反映させるという新たなステップに移行しました。
免疫細胞が暴走するということは逆に言えば免疫機能を抑制することで実質的な肉体へのダメージもまた抑えられるということです。もちろん免疫機能が低下することで、病原菌の感染といったリスクも高まるわけですが、専門病院であればそれらの対策はむしろ容易いはずです。完治は無理として、継続的な薬物投与などにより、病状の小康状態に維持させるぐらいのことはできるでしょう。
二葉の病状を知った瞬間、絶望という深淵の底まで一度は沈んだ俊樹にしてみれば、妻が生きていてくれている。それだけでも充分な救いと希望になるはずです。例え、一日でも命が繋がれば、その先に、新たな治療法が生まれるかもしれないだけに。

もし、二葉が糸守に隕石が落ちる、あの夜まで命永らえていたとしたら?
さきほど述べたように、たまたま、その日に三葉(達)がお見舞のため、糸守を離れていたかもしれません。この時代でも、岐阜から千葉までは結構な長旅です。泊りがけになって帰りの予定は翌日となってもおかしくはありません。それどころか、長引く入院生活の母親のため、俊樹や四葉と一緒に居を千葉に移している可能性すらあります。(俊樹は神職の都合上、糸守から完全に切れるわけにもいかないので、特異な単身赴任というべき形になるでしょうが)

つまり、ここであくまで仮定と推論という前提の元、1つの可能性として浮かんできたのは、三葉が2013年10月4日に死ななかった世界というのは、同時に二葉も2013年10月4日時点ではまだ死んでいない世界というものでした。

またもや当初の予定より長くなってしまったので、ここまで。
次回は、三葉も二葉もあの夜に死んではいなかった世界についてまとめます。

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